私としては、セーフティマネジメントとは「安全性をキープする」事だと思っています。
以前テレビで見た、航空会社の教育が参考になりました。飛行機事故の原因は、機器関係のトラブルよりもヒューマンエラーによる所が大きいのだそうです。飛行機が飛ぶには操縦士・整備士・管制官など、実に多くの人の力が要りますから、常に綿密な連携が必要。そこで、マニュアルにはないスタッフ同士のコミュニケーションや、もしもの時に咄嗟に行動できる力が活きてきます。この力が「ノンテクニカルスキル」と呼ばれるものです。
看護の現場でも同じく、スタッフ同士の連携が安全性をキープする事に繋がります。病院内で私だけが「セーフティマネジメント!」と叫んでいても意味がないという事ですね。
医療業界でも浸透している「ヒヤリ・ハット」ですが、これはしばしば「インシデント(=重大な事故に繋がる恐れがあった事例)」と同義語として扱われる言葉です。
ハインリッヒの法則でもあげましたが、日頃の業務で細かい報告を得ることは、重大な事故への予防策といえます。どうかすると見逃してしまいそうなちょっとした気づきも、たくさん集まれば有益な情報になるんです。ヒヤリ・ハット&インシデントを含めて、身の周りに起きた異常はどんな小さな事でも報告が欲しいと考えています。
また看護部長としては、ナース達が些細な事も気負わず話せるような、真摯に聞く姿勢を持つようにしたいものですね。
病院の安全は、個人が一人一人意識する事で高められていきます。その道しるべを作るのが、看護部長の役目なんですね。
ただ個人では意識できていても、集団の中では遠慮してしまう…というナースも多いです。例えば同期や先輩がインシデントを引き起こしてしまい、どうにか隠そうとしている…そして、それを見ていたのが自分だけだったらどうしますか?人間関係の摩擦を恐れて、見てみぬふりをしてしまう事もあるのではないでしょうか。
私が気をつけているのは、院内に風通しのよい空気を作ること。積極的にレクリエーションを開催したり、食事会や飲み会の場を設けたりしています。仕事以外の場を共有する事で、家族のようにあたたかく打ち解けた関係を作って欲しいんです。
馴れ合いにならず、相手のために何でも言い合える関係を目指したいものですね。
昨年看護部長に昇任!
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